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WORK STYLE 女性管理職の想いとホンネ 【前編】

メーキューでは5月の新年度スタートに伴い、人事異動があった。

SDGs5番の目標には「ジェンダー平等を実現しよう」があるが、弊社は女性社員の比率が約半数と高いものの、女性管理職比率は15%とまだまだ少ない。

今回の人事異動では弊社初だった女性執行役員の退任と新人女性マネージャーの誕生があった。

そこで女性管理職の彼女達に管理職、特に女性管理職としての想いを最初は「彼女」達だけで。

その後、弊社専務の山本を交えての座談会形式で語ってもらった「ホンネ」を前後編でお届けします。

 

※山本が2名いるので文中では山本専務を専務、山本マネージャーを山本と表記しています。

開拓者の道標―バトン受ける者たちへ (乗り越えるのはジェンダーではなく、自分たちの意識)

金森:私が女性初の役員。みなさんは中堅(山本)、若手(早川)、新人(牧野)の女性マネージャーという、メーキューにとって数少ない女性管理職ですよね。

私や皆さんの体験を通して次に繋がるような発信ができたらいいなと思って今日皆さんにお集まりいただきました。

よろしくお願いします。

マネージャーに任じられた時は不安もあったけれどチャレンジしてみた

牧野:そうですね…最初にお話を頂いた時には私でいいのかなって思いました。でも、私でいいって言ってくれるのであれば自分の力を全うしたいな、力をつけていきたいなとは思いました。

早川:私も一緒ですね。なんで私だろうとか、私でいいのかなというのが一番大きかったです。

山本:私は新しいチャレンジなので面白いという事で。面白そうだからやってみようかなと思いました。

金森:面白そうって思っても、お引き受けするのになかなか勇気がいるじゃない?

私もね、店長(現場責任者。管理職への第1歩)だったり、マネージャーの話が来た時に同じだった。

「いいの?私で」って

でも、断る理由がないな、今やっている仕事の延長線にあるのかなって思って「はい、わかりました!」と。

まぁ、チャレンジという感じで引き受けたので今の皆さんと一緒です。

私の中ではどこかで「その辺の男性よりもやっているし」って感じもあったんだよね(笑)

男性店長の下で店長補佐としてやってきて、店長からの信頼も得ていたから一緒に働く男性よりはやれるんじゃないかなという気持ちを確かに持っていたんだけど…思ったことない?正直に言おう!(笑)

牧野:現場責任者を10年間やらせていただいた時は男性も女性も全く関係が無くて、そこの事業所のヌシみたいな感じでした。

部下には社員・パートさんともに女性が多くて、前任者が男性店長だったのでどうしても比べられてしまう。

だから男性店長と同じレベルでやってきたっていう自信はありますね。

金森:自信はあるのだけど、もしかしたらこの男性より上なんじゃないかなとか…自意識過剰くらいの勝気な部分が多少あるんだよね。そうでなかったらそう簡単にマネージャーをお引き受けできなかったんじゃないかと思う。やりたいとは思わないけれど、やれって言われればきっとこの人達よりも上手にできるんじゃないかなくらいの驕った考えも実はあって。

大きな覚悟をしたつもりはないけど、やるからにはきちんとやりましょう。自分のできる限りはきちんとやりましょうって常に思った。

でもね、今思うとそこまでやらなくて良かったのよ。

店長の時はマネージャーくらいの気持ちになって仕事をしていて、マネージャーになったら「人に迷惑かけたくない」っていうのが先に立っていて全部自分でやっちゃうの。だから役職が上がっていってもそんなに違和感がない。今までやっていた仕事をやるだけの話だから。上がったらまた違う仕事が来るのだけどそれをこなすっていう状態。

今、皆さんマネージャーなのだけど、店長とマネージャーの違いって何かある?

山本:そうですね。店長時代には言われなかったのに、管理職になった途端に「女性」って言われるんですよね、そこに戸惑いました(笑)

金森:そうよね。

山本:「女性だから」って言葉を月に一度は言われていて。

金森:「なんだ、女か」ってお得意先で私も言われたことがある。特に営業マネージャーとしてお得意先と話をしなきゃいけない山本さんや私は「あれ?女性だったの?」みたいな反応をされることがあるよね。

でも、仕事の評価はそこに関係なくいただける。だからそこを乗り越えちゃえば仕事はやりやすいよね。

山本:私は担当事業所に病院や福祉が多いのでお得意先に女性が多いんですよ、管理栄養士さんとか。

だから自分も女性で管理栄養士だという事で営業がしやすいというのがありますね。

 

仕事に対する姿勢に女性も男性もない

金森:早川さんは業務のタイプが違うけど、どうなの?新設のソリューション営業部という事で、今後は新規営業にも関わってくるのでしょう?

早川:今は上司に同行させていただいています。

今までは営業企画部で企業給食の企画提案業務に7年近く携わってきましたが、この春から新設のソリューション営業部に異動になって、高齢者施設やメディカル系のお客様を訪問する事が多くなったのに今までの担当が企業だったのでそこに関する知識がどうしても乏しい。だから営業をしながら自分自身も学んでいる、入社2、3年目のような気分です。

提案書作って、ホッとする間もなくそれをお客様に説明するというのを毎週やっているので新鮮…ですね(笑)

金森:新鮮だと思えたり、新しい事をやれる、覚えられるっていう風に前向きにやれる人はすごくて、「嫌だ」「私、こんな事向いてない」っていうのが先にたっちゃうと多分やれないね。

早川さんは新しい部署で新しいお客様に会社をアピールしていく側でしょ。それってすごく難しいなと思う。

早川:自分がちゃんと理解していないとお客様に伝わらないので1~2年後にはお客様のニーズに寄り添った提案ができるようになれたらいいなと思っています。

金森:今やっている仕事をこういう風にやっていきたいっていうのがすごく見えているんだね。

今、自分が何をすればいいのかって明確に見えてる人なんてほぼほぼいない。

私だけなのかもしれないけれど、こういう風になりたい、やっていきたい、やって行こうってふわっと思い描いたイメージをきちんとやっていくのが、自分の思い描いている先に辿り着くのに一番いい形なのかなって思う。

早川さんはマネージャーになって…

早川:ちょうど1年です。

金森:1年経って、新しい部署。うちにとっては新しい業務だよね。誰に聞いてもわからない、手探りで進まなきゃいけない大変な任務を背負っているのはわかっているんだけど、楽しんでやっているように見える。

自分が「やった!」って思えれば絶対悪い方にはいかない。プラスにならなくても充実感はある訳だし、経験という意味でも悪い結果には絶対ならないと思う。

牧野さんも本社に来て(5月より本社勤務)間がなくて手探りだよね。

牧野:そうですね。でも、私は自分で言うのもなんですけれどすごく恵まれているんですよ。

新入社員で入った時の先輩が実は山本さんなんです。

金森:そうなんだ。

牧野:栄養士として山本さんの姿を見ながら仕事内容を覚えていって、山本さんがマネージャーになってからもそばにいてくれて。

山本:よく電話をもらったよね(笑)

牧野:本社に来た時は早川さんがいてくれて。

営業企画部の業務の基盤を作っていてくれていたので困ったことがあったらすぐに相談ができる。

本当に近い距離にいてくれるからすごく恵まれているなと。

負けず嫌いでいい。今の時代は性別に関係なくやれる人がやっていく

金森:私さ、今日の対談前に本を読んだんだけど「できる女性は疎まれる」とか書いてあるわけ。

疎まれることないよね?(笑)

一同:ないと思います(笑)

金森:環境的に恵まれているのかもね。メーキューという会社で管理職をやるのは恵まれていると思う。

牧野:金森さんが先陣を切ってくれたというか…金森さんの働き方を見てる。

金森:来るね~(笑)

牧野:男性にも引けをとらない働き方をされていて、すごくサバサバされているイメージがあって、

「女性」を前面に押し出すわけでもなく自然体。だから私たちも働けるのかなって思います。

金森:私が皆さんのために何ができていたのかなというと、「後進のために私が先陣を切って開拓しました!」みたいな気持ちは全くなくって、今の時代って女性も男性もないよね。やれる人がやっていく。

やれない人はやれないし、やれる人はやれるって事で。

ただ、私たちの時代は店長やマネージャーになるのも何年もかかったかな。

私もマネージャーとしてお得意先と話をする時は緊張感みたいなものはあった。

下手なことを言って会社に迷惑かけたらどうしようだとか。

「メーキューさんとは終わりね」って言われたらどうしようって不安はすごくあったんだよね。でも1か所2か所そういうのを経験すると、どうしようって不安はなくなっちゃう。

お得意先から要らないって言われることはあるんですよ。他の業者に変えるって言われることもこの先、きっとあると思うんです。

だけどそれをいちいち自分のせいにしていたらやってられない。だからそれはそれで切り離して。

皆さん、私がサバサバしているっていうけど、多分みんなもサバサバしている。

一同:(笑)

金森:皆さん、そんなところない?どこか勝気っていうか…

早川:負けず嫌いとか。

金森:そうだね。負けず嫌いだよね。

なおかつそこまで引きずらない。引きずっていたらやってられない。

そんな中で女性管理職ってのを作っていくんだけども、今はSDGsの目標もあって女性管理者の比率を30%にしましょうって会社が言っているじゃない?だからものすごいチャンスだと思うの。

だけどいかんせん、なかなか女性マネージャーの候補者がいない。牧野さんは久々に白羽の矢が立ったのね。

一つの事業所をきちっとやれる女性はいるんだけど、マネージャーとして10~20か所の現場を担当できるのかと考えるとちょっと当てはめにくい。

1か所の事業所を担当していた店長と20か所を担当するマネージャーは全く違うじゃない?何が違うと思う?

山本:責任の重さとかですかね。あとは部下の数とか。

金森:それってどうやって対応していた?

山本:しゃべってましたね。とにかく毎日いろんな人と話していて、それこそ夢に出てくるくらいに(笑)

人が嫌いだとやっていられないですね。誰かの相談に乗ることもあるし。

金森:そうね、話が嫌いだったり、人と会うのが嫌いだとやれないかもしれないね。

パートさんや社員を含めて自分の部下が何百人単位でいるわけだからその人たちと話していくのは大変だろうと思う。社内SNSでも山本さんは真っ先に返信しているよね。

金森:男性と全く同じことはできないけれど、これならできるってことがあるじゃない?それはできないけれど、こういう事ならできるみたいな感じで男性と違った行動ができるんじゃないだろうか。

ん?一緒だなぁ。男性と同じ動きをしているなぁ。(笑)

山本:してますね、世帯主なんで(笑) 男性と一緒かもしれない。

金森:それが素晴らしいなと思って。

人に恵まれているから前進してきたし、前進できる。

山本:それは自分が恵まれているからこそなのかなって思っていて。

金森:皆さん、「恵まれている」って言うよね。何に恵まれている?私も恵まれていると思うけど。

牧野:私は「人」ですね。相談できる人がいる。

疲れたな、ヤバイなっていう時に「大丈夫?」ってドンピシャのタイミングで声をかけてくれる人がいます。

早川:私も本当に「人」ですね。本当に困っていた時に当時の上司に声をかけていただいた事があります。基本的には自分で考えて行動するタイプなんですけど、どうしてもつらい時にはやっぱり人に相談する。でも、その前に声をかけてくれる人がいる時もあって助かりました。人に恵まれているなと。

山本:私は(勤務地の)三河の先輩マネージャー達がそばにいるので話を聞いてもらったり、質問もできています。時には店長さんや家族にも。

家族は聞いているのかいないのかわからないですけどね(笑)

金森:みんな恵まれているね。

では、なぜ自分がマネージャーになったんだと思う?

一同:私たちが聞きたいです。

経験はいつか役に立つ瞬間が来る。だからいろいろ経験してほしい

金森: 私だと「環境」もあったのかもしれない。マネージャーから次長。次長から部長になる時もポジションが空いていた。誰か入れなきゃいけなかったからかなと思うんだけど。

運もあったのかもね。「奇跡の昇格」って言われたんだから(笑)

奇跡って起こるんですよ、皆さん。

私は来るものは全て受ける事にしていて断らない。

断らないって思っているんじゃなくて断れない。頼まれると「わかった」って言っちゃうんでついつい全部引き受けちゃった。

でもそれを後悔していないし、よかったと思ってる。

皆さんも来たものは引き受けてみるといいかもしれない。今の経験って多分10年後くらいに役に立つと思う。

これは私の確信なんだけど、今大変な事でも乗り越えた後に「あぁ、この事か」って何かに役に立つ時が必ず来る。びっくりするくらい役に立つから何でもやっておくことだと思う。

後から思うとチャンスだったって思う事があるからやっておきなさい。

そうすると絶対に役に立つ。私はいろんな経験をしてほしいと思う。

ところでみんな悩みってあるの?(一同を見まわして)…ないなぁ(笑)

無いに越したことはないよ。自分が管理職だからって意識する必要はなくて、自分がやらなきゃいけない仕事をやっていれば私はそれで十分だと思う。

皆さんの見本にならなきゃなんて私は思ったことないよ。そう思うとぎこちなくなっちゃうからあまり意識せず自然体。その自然体を見ていれば下の子たちもね、ああいう先輩になりたいなって思ってくれるかもしれない。

金森:ところでマネージャーになりたいって言っている人は周りにいるの?

山本:うちのグループにはいます。だから年単位の目標を設定して、数年後にはこうなろうねって話をしています。

金森:へぇ…しっかりした部下がいて安心だね。

山本:上に行きたいって希望がある人にはいろんな経験をさせてあげた方がいいのかなって思って。

だから自分が店長時代に経験して良かったことは経験させてあげた方がいいかなと。

金森:しっかりしてる。みなさん落ち着いて堂々としている。

マネージャーとしてやってきているからそう見えるのかな。

管理職に必要なことって性別に関係なく「やったる!」っていう気持ちかな。

不安があるのは全然よくって。不安みたいなものを持っているときっちり積み上げていくじゃない。自信たっぷりよりは自信が多少ないからこそしっかりと積み上げていく感じでこの先が長い皆さんにはやっていただきたい。

 

(後編に続く)