SDGs目標達成をめざす決意
ここまでとここから

  • tag
  • tag
  • tag


SDGs推進が叫ばれている昨今、メーキューも会社としてSDGsへの取り組みを決めて2年前にキックオフし、試行錯誤しながら掲げた目標に向かって取り組んでいる。

今回、SDGsに関連した認定を受けたことを機に「ここまでとここから」について弊社総務部の長谷川部長に聞いてみた。

認定証を前に 山本社長(左)と長谷川総務部長(右)

なごやSDGsグリーンパートナーズ優良エコ事業所に掲げた3つの目標

このたび「なごやSDGsグリーンパートナーズ優良エコ事業所」の認定を取得したという事ですが、申請にいたる経緯を教えていただけますか?

長谷川総務部長(以下、長谷川)始まりは平成24年に名古屋市が募集していた「優良エコ事業所」に申請した事になります。

10年以上前ですね。

長谷川:そこで表彰された「エコ事業所」から「優良エコ事業所」にランクアップし、そして今回認証を受けた「なごやSDGsグリーンパートナーズ 優良エコ事業所」に繋がったという経緯になります。

「なごやSDGsグリーンパートナーズ」というのは名古屋市が従来の環境の14000だけでなく、SDGsも包含した活動にしようという事で範囲を広げて「優良エコ事業所」から名称変更をしたものになります。

取り組みレベルで認定が3段階に分かれているのですが、最上位の「優良エコ事業所」にメーキューは認定されています。

もう一つお伺したいのですが、「名古屋市SDGs推進プラットフォーム」と「なごやSDGsグリーンパートナーズ」は別のものでしょうか。

長谷川:はい、別のものになります。「なごやSDGsプラットフォーム」は産官学民でSDGsの推進力を生み出し、「世界に冠たるNAGOYA」の実現を目指す団体の集まりの事で、「なごやSDGsグリーンパートナーズ」は事業活動においてSDGsの実現に向けて取り組む事業所を名古屋市が登録・認定するものになります。

メーキューではそれぞれの認定を受けています。

今回、申請するにあたって目標を掲げる必要があったと聞いていますが、何を掲げたのか教えてください。

長谷川:会社としてSDGsに取り組もうと6つのテーマを選択して2年前にキックオフをしているのですが、今回の申請ではその中から

__3.すべての人に健康と福祉を

__5.ジェンダー平等を実現しよう

__12.つくる責任 つかう責任

この3つを目標に掲げました。

女性管理職「増」 残業「減」で 向上させたい働く事へのモチベーション

掲げた目標の具体的な取り組みを教えていただけますか?

長谷川:もともと17のSDGsの目標がある中で、特にごみの削減や紙、電気・ガスといった資源の削減。グリーン商品の購入や社有車をエコカーに切り替えるといった環境に関する事には取り組んでいました。

それに加えて今回の「なごやSDGsグリーンパートナーズ」認定にあたり、

3 健康セミナーや健康イベントの実施、スマートミールの認証をいくつかの事業所で取得、提供しています

5  女性管理職の比率を3年で30%達成

12 YouTubeの活動を通じて幼児食や基本的な調理をアピールし、日本全体の健康づくりや食品ロスに繋げる

という目標を新たに設定しました。

更に8の目標の「働きがいも経済成長も」という事で元々取り組んでいた残業の削減も今回の目標に取り入れました。残業が多いと働くことへのモチベーションも下がってしまいますからね。

確かに以前よりも社内で残業削減の動きを感じていますが、実際に削減できているのでしょうか。

長谷川:正直に言うと減っていないです。

昨今の人手不足やコロナの影響もありますが、これからの課題の一つです。

みんなで取り組んだから達成できた 健康診断受診率100%+α

なかなか難しいですね…長谷川さんが感じる他の目標の達成難易度を教えていただいてもいいですか?

長谷川:みんなで取り組めば達成できそうなのは「健康経営」でしょうか。

実は社員の皆さんの協力もあって去年の健康診断は実施率100%を達成できました。

もちろん、法令で定められた部分は100%ですよ(笑)これに+αを加えているんです。

良かった。書いちゃマズい事を聞いてしまったかと焦りました(笑)

長谷川:法令部分に加えて、法令上は必須ではない短時間労働の従業員の皆さんにも健康診断を受けていただいて、従業員全体での受診率100%を目指しました。

これまでの短時間労働の方も併せた受診率はどのくらいだったのですか?

長谷川:一昨年は未受診者が10名を切る所まで行ったのですが、残念ながら未達でした。それが去年は初めて100%になりました。勤務している皆さんが健康診断を受診してくれたこと。それを総務部が発信し続けていた成果だと思っています。

+αを加えてハードルを上げてまで健康診断受診率100%達成を目指したのは何か理由があるのですか?

長谷川:「健康経営優良法人」という、日本健康会議と経済産業省が共同で推進している制度があります。現在、その審査に申請しているのですが、その必須条件のひとつに健康診断受診率100%があります。だからSDGsと健康経営両方の面から受診率100%を目指して取り組んでいました。

インタビュー後の2023年3月8日「健康優良法人(中小規模法人部門)」に認定されました

長谷川:あとは社内教育ですね。これもコロナの影響で調理技術講習会のように休止になっているものもありますが、人事部主導で定期的に実施している研修会等、社内教育のベースはできているので比較的やりやすいのかなと思っています。

これは総務部だけで進めることは不可能なのですが、アフターコロナを見据えて各部で協力すれば進めていけると思っています。さらに3月からは店長版すごい会議の開催が決定しています。

では、取り組みが難しいと感じる目標はありますか?

長谷川:まずは女性管理職の増加ですね。

管理職に占める女性管理職の割合の目標を30%と掲げているのですが、2022年5月の段階で13.5%なんです。

これは40人弱の管理職の中で女性は5人という事になります。

当然のことですが、管理職登用者を増やしても、定年を迎える方がいずれ発生することを考慮しながら登用者を増やしていかなければ3年後に女性管理職30%の目標はもちろん、その先にある2030年に50%という目標には到底届かないですね。

2030年まであと7年……かなり厳しい目標ですね。

長谷川:これはさらに別の取り組みが難しい目標にもなるのですが、働きやすい環境づくりや定着率の向上を推進していかないと、会社側が登用したい人に管理職やマネージャー・店長職をお願いしたいと思っても大変そうだからって二の足を踏まれてしまいかねません。

ジェンダー平等とは言っても配慮が必要な部分はありますし、これは会社全体で考えなければならないテーマだと思っています。

昼食を予約制にする それだけで現われる効果

SDGsグリーンパートナーズに掲げた目標のうち、効果が出てきている事例はありますか?

長谷川:食品ロスだと思います。

以前より食品リサイクル法という法律に基づいて、ゴミの排出量を月毎に集計したデータを農林水産省に提出しています。そのために社員食堂やメーキュー直営事業所のHONAMIにはゴミの排出量のデータを取ってもらっているのですが、毎日のゴミの排出量を計量・入力という作業が各拠点で定着しました。

ゴミの量を知ることによって排出量が減ってきているという事でしょうか。

長谷川:売上100万円あたりのゴミの量を見てみると、今から4年前には79.4Kgだったんですね。3年前には100万円当たり88.3Kgに増えています。これを5年以内に88.0Kgにする目標で取り組んでいて、去年は達成できています。

達成できた要因には何があると思いますか?

長谷川:社内に食品ロス削減の意識が浸透してきているのに加えて、昨今の仕入れ価格高騰の影響もありますね。ロスを出さないように発注段階からみなさんがいろいろと考えてくれているようです。

あとはメーキュー本社の昼食ですね。以前は定数で注文していたので残菜が多い日も発生していました。そこで予約制に切り替えて、残菜量を本社スタッフに公表するようにしました。それによって皆さんが気にかけて下さるようになりました。昼食を調理しているHONAMI本店でも人数やメニューに合わせてご飯や汁物の量を調整してくれるようになりました。これは個々の意識が変化してきた結果だと思っています。

それとDXを取り入れたおかげで紙の使用量が減ってきていますし、紙への押印もかなり減ってきています。不要な印刷、不要なカラー印刷を減らそうという意識も高くなってきていますね。

トップから加速する 委員会活動

お話をお伺いしてSDGsの推進には会社全体の取り組みが必要だとわかりました。最後にちょっと意地悪な質問かもしれませんが今、メーキュー内にSDGsの意識が浸透していると思いますか?

長谷川:そもそもSDGsについて発信する機会が少ないと感じています。担当部署の総務部だけが旗振りをするのではなく、全社的な取り組みが必要だと思っています。

健康経営、ゴミの排出量削減、残業の削減や働き方改革など全てを共通目標として意識してもらうために会社全体でどうすればいいのか試行錯誤しています。いいアドバイスがあれば教えてほしいです(笑)

それは…考えてみます(笑)じゃなくて、私も考えないといけませんね。

長谷川:実は来期から管理職メンバーで委員会活動が始まります。その中にSDGs委員会もあります。

それは管理職の方が活動するのですか?なぜ「管理職」委員会なのでしょうか。

皆さんに発信する前に、まずは管理職から取り組んでみようという事になりました。

管理職から会社全体に浸透させていきたいというのが目的です。

皆さんの頑張りの結果を社内に発信して、達成感を得ていただくことも大切だと思います。

方法はまだまだいろいろあるはずだと思っていますので、探しながら会社全体でSDGsを推進していきたいですね。

私も社員の一人ですので他人ごとではなく、取り組みを意識しなくては思いました。

 

本日はどうもありがとうございました。