2025年7月11日、メーキュー穂なみ本店で「アジアフェア」の第一弾イベントとして、ベトナム中部地方の郷土料理であるミークアンを提供しました。メーキューに在籍するベトナム人実習生がメニュー開発に参加し、イベント当日は多くの従業員に好評をいただきました。本記事では、このイベントの背景と開発の裏側をご紹介します。
実習生との挑戦
今回の企画の背景には、近年増加している外国籍のお客様、食堂利用者様に対し、何か喜んでいただける取り組みができないかという思いがありました。
メーキューには、特定技能実習生や技能実習生を含むベトナム出身スタッフが多数在籍しており、日々の業務において欠かせない戦力となっています。
また、当社のみならず社員食堂を利用されるお客様の中にも外国籍の方が増加しており、文化の違いを理解して受け入れることが、今後のサービスの質を高めていく上で欠かせない要素となっていると考えています。

そこで、母国の味を再現できれば、日本で働く外国籍の方々の励みになるのではないかという声が上がり、今回のフェアは企画されました。そして、ただ単に異国の料理を提供するだけでなく、メーキューの実習生自身が自国の文化や知識を活かしてメニューの提案や試作に関わることで、より意義のあるイベントにすることが目的でした。
メニュー開発の裏側
今回、アジアフェア第一弾として選ばれたのが、ベトナム中部ダナン地域で親しまれる麺料理「ミークアン」です。本場では汁気の少ないスープに香草やナッツ、エビ、豚肉が彩りよく盛り付けられるこの料理は、ベトナムでも地域色が強く、日本ではなかなか味わえません。そのミークアンが選ばれたのは、実習生の中にベトナム中部地方出身者がいたからでした。

今回の開発では、名古屋名物きしめんを使用し、日本人の舌にもなじみやすいようスープのベースを鶏ガラにしました。さらに「ベトナム感」を損なわないようナンプラーで風味を整えて両国の文化を融合。こうして、メーキュー特製ミークアンが出来上がりました。また、乾麺ではなく生麺を使うことで調理効率を高め、スピードが重要となる社員食堂での提供も対応可能にしました。

試作の初期段階では味が濃すぎる、香りが強すぎるといった課題もありましたが、本場の味を知るベトナム人実習生たちに細かい味の調整を手伝ってもらうことで、一歩ずつ完成へ近づけました。その結果、ベトナムの魅力を残しつつ日本の食文化にも馴染む、バランスの取れた一品が完成しました。
ベトナム人利用者様からの声
フェア当日、ミークアンを提供したところ、ベトナム出身の利用者から多くの「おいしい」という声をいただきました。また、地域色の強い料理のためベトナム国籍の方の中にも「初めて食べた」という方が多く見られたのが印象的でした。
普段はご飯がつく定食を選ぶという方でも、この日は麺であるミークアンを注文される方が多くおられ、外国籍スタッフや利用者にとって特別なフェアとなりました。

食堂を“食べる場所”から“つながる場所”へ
今回のアジアフェアは、単なる限定メニューの提供ではなく、多様性を尊重し、外国籍従業員のさらなる活躍を後押しする取り組みの第一歩となりました。
今後はベトナムに限らず、他国の料理を取り入れたフェアの計画も進行中です。社員食堂を、単なる食事の場から多文化共生の架け橋となる交流の場へと発展させることが、私たちの目指す姿です。
これからも、多様な文化背景を尊重し、全ての従業員が「ここで働けて良かった」と感じられる職場づくりに取り組んでまいります。