LOADING...

PEOPLE

お客様とつくれば、給食はもっとおいしくなる。

CHIHIRO UKAI鵜飼 千啓
2015年入社 栄養士
福祉施設勤務
140食でも30食でも、つくる気持ちは同じ。
親が調理師をしている影響で、専門学校に進んだことが栄養士になったきっかけです。料理ができたら生きていける。そう思いました。親からも実践が大事と言われ、調理実習が多い学校で学びました。それでも学校と仕事は別物で、現場には大苦戦。140食を限られた時間でつくるために、毎日調理の導線をノートに書き、同時に進行する調理のイメージトレーニングをしていました。ただし、大人数の料理をつくっていても、食べる人にとってはたったひとつの食事です。効率を上げることで、丁寧にすべき工程に時間をかけられるようになりました。一方で、いまの職場は入居者さんが34名の福祉施設。作る料理の量が少なくなった分、さらに一人ひとりの個性や好みを把握してつくることができています。つくる人数やオペレーションの方法は違っても、一人ひとりの食事をつくるという意識は同じなのです。
目が見えない人には、お皿全体にルーをかけます。
いまの職場では、一人ひとり料理の完成形が違います。例えば、ある入居者さんのカレーライスは、お皿全体にルーをかけています。ご飯とルーを分けないのは、その入居者さんの目が見えないから。どこから食べても同じ味がするように、時には見た目よりも食べやすさを優先することもあります。みなさんが食べているところを直接見られますし、「おいしい!」というときも「イマイチ」というときも、直接声をかけてもらえるので、コミュニケーションが調理に反映しやすいです。入居者さんだけでなく、働いている皆さんともよく話します。調理しながら、どう切ったら食べやすいかを話したり、どう混ぜたらおいしいかを話したり。入居者さんの特徴も皆で共有できています。入居者さんやパートさん全体でコミュニケーションが取れているからこそ、一人ひとりに合ったおいしい料理が作れていると感じます。
残菜ゼロの現場をつくりたい。
働いていて、一番やりがいを感じる瞬間は利用者さんが完食してくれたとき。残菜を捨てるときが一番悲しいので…。メーキューがこの施設に入る前は、仕出しのお弁当を頼んでいたそうで、温かいご飯を食べられてうれしいと入居者さんから聞いたときは、給食の意義を感じました。いま、力を入れていることは、全員完食を毎日続けること。全員に完食してもらうには、全員に喜んでもらう必要があります。全部を同じようにつくっていては、全員に喜んでもらえません。だから一人ひとりのことを考えてつくります。もちろん、完食してもらえない日もありますが、そういう日はただ悲しむだけではなく、何がダメだったかをしっかり考えます。入居者さんにお声かけをして直接確認する。栄養士さんやパートさんとも連携して、対策を考える。そうして次は完食してもらえる食事を作る。これからもおいしくて温かい給食を、入居者さん一人ひとりに届け、残菜がゼロの職場をつくっていきたいです。

OTHER INTERVIEW